Bicycle−つれづれなること休む自転車で走る中で,必要不可欠なことの1つが「休む」ことだ。どこでどのように休むかは,疲労回復や水分・栄養補給だけでなく,日常的なライフスタイルを規定する重要なファクターだ。 (1)喫茶店「紅茶のおいしい喫茶店〜」という出だしの歌謡曲があったが,実際にはほとんどコーヒーを飲む。それはともかく,春や秋などは,最近増えてきたオープンカフェーで休憩するのが,都会での自転車乗りの楽しみの一つになっている。冬には暖を,夏には涼を取る場でもある。また,休憩場所として利用するだけでなく,自宅の延長である場合も少なくない。 喫茶店を自転車に乗って移動する際の休憩場所に利用するようになったのは,大学院生の頃からだろうか。都心方面からうちに帰るには,急坂を避けては通れない。急坂を上っても,うちまでにはまだ距離がある。そこで急坂を上りきったばかりの雑司ヶ谷の喫茶店で休憩ということになり,それが常態化するのに時間はかからなかった。やがてその近くに引っ越すと,今度はリビング&ダイニングの代わりにもなった。そうなると必然的に,うちに遊びに来た友人と一緒にその喫茶店に行くことも多くなった。 友人もみなその店を気に入ってくれた。だがある日大学に行くと,そうした友人の一人が真顔で, 「おい,やめとけよ! 大きな子どももいるんだろ?」 といったのだ。もちろん私に子どもなどいない。一瞬何のことかわからなかったが,「大きな子どもがいる」というのは,その喫茶店のママさんのことだった。友人たちの間では,私がそのママさんにぞっこん惚れ込んで毎日通い詰めている,という噂が立っていたのだった。 こうした噂の類は,それを立てる側の意識を反映したものであることが少なくない。この場合も,友人の一人がママさんに一目惚れした結果というべきであろう。おかげで私の足がそこから遠のかざるを得なくなってしまった。 |