Bicycle−つれづれなること戦争と平和,そして自転車アメリカによるイラク侵攻は,戦闘行為自体には一応の終結が宣言されたが,広く世界中に澎湃として巻き起こった戦争反対の声をふみにじって強行された,この侵略戦争がもたらした問題は,現在も進行している。アメリカ帝国主義=ブッシュが,親米カイライ政権樹立,石油利権独占など占領政策を通じてさらに追求しようとしているところのものについてはもちろん,こうした戦争に反対する側の認識もまた問われているといわねばならない。 動員・組織される「人的・物的資源」,破壊・殺傷……,20世紀に入ってからの戦争は,それまで人類が経験したものを凌駕していることは周知の通りだが,これに抗う思想と実践のあり方はどうであろうか。
プラカードをつけた自転車 (2003.4.19) さる4月19日(土),東京・渋谷周辺で行われたWORLD PEACE NOWに,「イラク攻撃に反対します」のプラカードを自転車につけて参加した。またその後4月いっぱい,雨でプラカードがちぎれるまで,これをつけて東京都内外を走った。参加中はもちろん,その後自転車で立ち寄った先でも,プラカードが話題のきっかけになって,戦争反対への思いや,日頃関心を持ったり取り組んだりしていることについての,対話と交流を持つことができた。 中には負の対話と交流もある。JR品川駅東南部を走っていたときのことであった。銀行に入ろうとしたところ,一人の男が腕をつかんで言いがかりをつけてきた。非暴力と不服従で臨む旨を一喝し,それ以上は相手にしなかったが,この男はその向かいのビル,すなわち,今回の戦争に使われたハイテク兵器の部品も手がける某大手電機メーカーがそのほとんどに入居しているところの,品川インターシティーの管理会社の輩であった。 それはさておき,戦争による被害は,直接の攻撃対象以外にも,非戦闘員である一般市民や広く環境にも及ぶ。その点で環境を守る営為と反戦・非戦とが結合する。そこで,環境に対してはもちろん,自転車は平和創造に貢献できるのではないか。しかも簡単なやり方で。 少し歴史を繙こう。日本の自転車産業のメッカといえば大阪府堺市だが,ここはかつて鉄砲鍛冶がさかんな地で,そこで培われた技術が,近代になって 自転車製造やメンテナンスに応用されるようになったわけで,自転車産業は,いわば軍需産業の平和転用の成功例なのだ。 もちろん自転車が軍事目的に利用されていないわけではない。戦前の日本陸軍に「銀輪部隊」があったし,現在でもスイスでは軍用MTBが使われている。といってもこれらは破壊や攻撃のための武器・兵器ではない。 さらに眼を転じれば,自転車に関する技術が,車椅子や義足などの福祉分野にも応用されていることに気づく。軽くて丈夫で動きやすいことが求められる点で,みな共通しているからだ。カンボジアやアフガニスタンなどで,地雷で手足を失った人に対する人道援助にも役立つだろう。戦争を未然に防げればそれに越したことはないが。 自転車に乗ることで,人と環境に優しい社会の現実化・具体化を追求するのはもちろんのこと,戦争を防ぐのみならず,科学技術の平和利用の推進をもめざし,広い意味での平和創造をしたいものだ。
(2003.5.4) |